浴室前の床修繕 | ユニットバスだから安心!?
【四條畷市 C様邸】
築45年の木造住宅の修繕工事の例をご紹介します。
お客様ご自身で何度かDIYによる補修を試みられたものの、床が歩くたびに沈んでしまう状態が続き、安全面への不安から専門業者による修繕をご依頼いただきました。
土台が完全に腐食し、柱がタイルモルタルで支えられている危険な状態です。このまま放置すると、建物の構造的な問題を引き起こしかねませんので、早急に補修が必要です。床だけでなく、周囲の土台も腐食が進んでおり、非常に深刻な状況です。
最近、築30~40年以上の住宅で在来浴室の床修繕に関するお問い合わせが増加していますが、今回のケースは特に腐食が進行しています。写真を見ればその深刻さが一目でわかります。
幸い、シロアリの痕跡は一切見つかりませんでした。ただし、土台や柱には以前シロアリ駆除の痕跡がありました。この腐食の主な原因は、お風呂のタイルや沓摺(くつずり)の隙間から水が侵入したことです。
腐食した土台を取り除き、防蟻剤を塗布した新しい土台に交換しました。
他にも痛んでいた大引や根太を補強しましたが、土台や柱の全ての腐食を修繕するには浴室のタイルや外壁を撤去する必要がありますので、大がかりで高額な費用がかかってしまいます。
今後、フルリノベーションで建物を完全に修復できることを期待しつつ、できる範囲で補強を行いました。
クッションフロアーも新しく貼替えました。
柱は埋木で痛々しいですが、新しい土台に柱を乗せることができたので一安心です。
ステンレス製の沓摺を取り付けて、タイルの隙間を含めてコーキングし、工事は完了しました。
--- 今回のケースでは早急な対処が必要です。特に床や柱に目視で腐食が見られる場合は、すぐに修理する必要があります。床が沈み始めた段階で対処すれば、建物の土台の腐食を防せげる可能性が高くなります。ただ見た目では分からないのですが、床だけでなく、外壁や間仕切りの土台、柱にも腐食が進んでいることがあります。これらはタイルのモルタルや外壁の壁で支えられているだけで、建物の強度が不安定になる可能性があります。浴室前の床腐食は放置すると深刻な被害につながることがありますので、定期的に床の状態をチェックし、異常があれば速やかに専門業者に相談することが重要です。特に、30~40年前の在来工法の浴室を使用している場合や、浴室前にマットを敷いている場合は注意が必要です。マットの使用後は敷いたままにせず、次回使用時までタオル掛けなどに掛けて、しっかりと乾燥させましょう。定期的にタイル目地や床との取合いのコーキングを行い、劣化を防ぐことも大切です。最近はユニットバスが主流ですが、それでも浴室の床の問題を放置してはいけません。マンションのユニットバスでも浴室前の床の腐食は起こりますので、ユニットバスだからと油断は禁物です。異常を感じたら、早めに専門業者に相談しましょう。
投稿者プロフィール
- 建築一筋35年。リノベーションのスペシャリストとして、一級建築施工管理技士や二級建築士の資格を活かし、数々のプロジェクトで理想の空間を創り上げてきたリフォームのマエストロ。